虹のきれはし

主線なし絵って何?

主線なし絵とは、主線がない絵のことです。
トートロジーを言っても仕方ないので、比較できる絵を貼ります。

まず主線あり絵。
ピンクの太い線画で描かれた、ツインテールの天使の女の子のイラスト。 この絵だとピンク中心に色のついた太めの線画がある感じ。

次に主線なし絵。
主線なしで描かれた、白い髪に水色のワンピースの天使の女の子のイラスト。 上と同じパステルカラー天使なので比較対象に選びました。
白がテーマカラーなので補助的に灰色の線画っぽいところがありますが、ほぼ主線がありません。
これが主線なし絵です。

主線がない絵のうち、塗り込みによるグラデーションがあまり発生してないと主線なし絵カテゴリになる印象があります。
ある場合は「厚塗り」カテゴリに吸収されてる印象。

主線なし絵は面を活かした絵で、アナログ画材でいちばん近いものは「切り絵」だと思われます。
主線がないと独特の風合いが出ます。優しい感じ?特に背景がある絵だと絵本っぽくなります。

描き方には2種類ある!

では早速ですが描き方を紹介します。
大きく分けて2種類の描き方があります。描き方だけ言われてもよくわからないと思うので、私の思うメリットとデメリットを合わせて書きます。

線画の色を変える

線画着色式の主線なし絵の描き方。線画を描く、普通に塗る、線画の色を変える、完成の4工程。

普通に描いて、最後に色トレス(線画の色を塗りに合わせる)をします。
一般的にわかりやすい描き方はこっちだと思います。

【メリット】
普通の描き方をそのまま転用できる
 わかりやすくていいですね。

下塗りを統一すればレイヤー数をケチりやすい
 後述の描き方だとレイヤー数がえぐい膨らみ方をするので、下塗り色を1レイヤーにまとめるなどができるこの描き方はその面で有利です。
もちろん分けたかったら分けてもいいと思います。

オブジェクトのフチにハイライトを入れる表現がきれいにできる
黒い闇に描かれた緑色のボール。左上から光が当たり、フチが光っている。  線画の色を部分的に変えることで、細く輪郭に沿ったハイライトを表現できます。
それ以外では、白に白が重なるなどどうしても線画がないとダメなところに線を用意するのも簡単です。


【デメリット】
線画の着色がめんどくさい
 線画の着色が本当に面倒です。根気がいります。もしかしたら自動化ツールがあるのかも?

細めの線画をきれいに描けないとダメ
 主線なし絵なら大嫌いな線画工程をスキップできる!という一部の絵が下手な人の希望を砕きます。
太めの線画だと着色が大変だし各色の境界が微妙な出来になります。

うまくできないとゴミが出やすい
 塗り残しや、線画の着色ミスでゴミ(色のおかしい小さな部分)が生まれやすいです。
きれいにするために割く時間はクリエイティブではないので、ないほうがいいですよね。

面で描く

面描き式の主線なし絵の描き方。下書きを用意して個々のパーツを描く、完成の2工程。パーツの個別表示でわかりやすく解説。

もうひとつの手順では、面で描いたものを重ねます。

【メリット】
線画が描けない人でも粘土を付け足すように輪郭を整えられる
 粘土を付け足したり削るイメージで、歪んだ輪郭を整えることができます。
これが線画を描くのが苦手な人には大変助かります。一発できれいにしなくていいので。

色トレス不要
 本当の意味で線画がないので、色トレスしないで済みます。

仕上がりがふんわりする
 好みの問題なのですが、つるつる系ではなくざらっとした質感の主線なし絵で描きたい場合の話になります。
線画着色式で描くと線画を細くせざるを得ないので、使うブラシが「ブラシサイズで質感が変わり、細くするとざらつきが細かくなる」といった場合に雰囲気が出ません。
面描き方式であればブラシサイズは自由なので、全体をやわらかく描くことも、描くモノによって輪郭の質感を変えることも簡単です。
これは背景付き絵で真価を発揮します。(遠くのものをあいまいにしたり、雲をふわふわにしたり)
ただし、この差異は縮小されている状態だとわかりづらいです。


【デメリット】
レイヤー数がアホみたいに増える
 1パーツ1レイヤー(+乗算で影など)が基本なので、レイヤー数が増えます。
遠くの位置のものをひとつにまとめるという手段は一応あります。

奥行き通りに描けないオブジェクトがある
キャラメルの箱のような直方体が複雑な前後関係で絡まりあっている画像。  基本的に各パーツのレイヤーの並べ方は奥のものを下に置くだけでいいのですが、「AよりBが手前にあり、BよりCが手前にあり、CよりAが手前にある……」という構造のものはレイヤー構造で処理できません。
そういうものを描くときはどこかで妥協が必要です。具体的にはレイヤー構造との矛盾を最小限にしたうえで上の絵を手動で削ります。この画像ではC(一番上)とAの交わる部分。
実例では、腕が絡むオブジェクトでありがちな印象です。

んで結局どっちがいいの?

どっちがいいのかですが、基本的に線画が苦手な人に選択肢はなく、面描きを強いられます。
線画が綺麗に描けて、色トレスが苦でなければ好みによって線画着色を選んでもいいかも。

当サイトの絵は99%面描き式です。
優しいふんわり感、色トレスの手間のなさ、線画から逃れられるなどいいことづくめです。

デフォルメ+主線なし絵は「線画がとにかく苦手で、線をきれいに引くことも複雑な形を取ることもできない、よわよわ絵師」におすすめ。
「なんかいい感じ」に見せかけやすいです。
※もちろんつよつよ絵師がこの方法で描いたらさらにすごい絵が描けます。

いかがでしたか?(あと余談)

いかがでしたか?

線画着色式のうしちゃんの髪の影が薄いのはただの色ミスなので気にしないでください。

ちなみにこの記事を書こうと思った動機は、このツイートがあまりにも自分と違う描き方でバズってたからです。
線画着色式は、線画が綺麗であれば、かなりクオリティが高くなるのがわかりやすいですね。

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